MCI sodegaura renovation
MCI sodegaura renovation
2023年 千葉県建築文化賞 優秀賞受賞
ブランディングディレクション. グラフィックデザイン:MTDO inc.
プロジェクトマネジメント:株式会社AXIS
設計:洲崎設計事務所・株式会社AXIS
撮影:中山保寛
高分子・合成科学素材等を開発し取り扱う、日本有数の研究所のリノベーションをプロジェクトマネジメントという立場から行った。敷地に広がる豊かな自然の有機的要素と、低層の建物の直線的要素を活かし、開放感のある空間を制作した。各部屋は、雰囲気を揃えながらも使用目的に合わせたデザインを施し、使用者や来客の方々を飽きさせない空間作りを目指している。天井と床の見え方や、空間の広がりなど、使用者の体感で得られる空間の大きさには気を配り、各部屋ごとの特色を生かしたスケルトン天井・ルーバー・フローリング張りを採用し、隣り合った部屋が単調にならないよう施工している。


研究された素材を使用したソファーも開発している。丸みや素材感といった、実際に触れて理解できる形での展示・使用の目的を兼ね備えた備品として設置した。

研究所内の社員が多く使用する食堂は、A・B とゾーン分けし席によって異なる空間体験ができるよう設計した。入り口から近い食堂は、少人数で使 いやすいカウンターやテーブル席を配置。奥の食堂は多数で使いやすい BOX 席やテーブル席を用意している。 また、来客時の打ち合わせ場所としても使用できるよう BOX 席にはモニターを設置した。




社員より要望があった、”宴会もできる座敷席”は海外からの来客をもてなせるよう、日本らしさのある畳を使用。突き出し天井に施された障子形のス ライド式建具で空間を区切ることが可能である。また、モニター設置もしているため、会議室としても使用できる。施工時はコロナウイルスの蔓延によ り、宴会が行えない状況ではあったが、未来を見通す社員の希望と期待によって実現した。

動線とカフェスペースを区切るため、素材感のあるパーテーションを採用した。パーテーションは取り外し可能で、開発した素材と入れ替えていくことができる。素材展示のような使い方ができる一方、食堂からの目線を遮り、カフェ空間として使用できる。床には を使用し、社員が作業着を来たままでも使いやすいカフェスペースを目指した。コーヒーは低価格で提供しており、社員同士のコミュニケーションのばとなっている。

本研究所は、日本の合成科学素材を幅広い種類扱っていることから、施工の素材にも企業の制作素材などを活用している。パーテーションなど取り替え可能な造作物を企業制作素材にすることにより、今後新規に開発された素材と差し替えることも可能である。引き渡し時に完成となるデザインではなく、研究所内の人々が空間に触れて、楽しみながら改革することで完成が更新されていく”生きた建築”として未来に繋げていきたいという想いが詰まった建築設計である。
